父子でイタリア演奏旅行

息子はスズキメソードバイオリン科佐藤潤先生クラスの麻布十番教室で学んでいます。

昨年から、同じ麻布十番教室主催されるTOKYOセンターアンサンブルには親子で参加しています。なんと私はバイオリンを弾くのは35年ぶり。2017年夏のイタリア演奏旅行へ親子で参加しました。

この夏のイタリア演奏旅行は、息子が「行きたい」と言い始めました。イタリア演奏旅行のチラシが配られた時、「うちはお金も無いし、パパは休みも取れないし、無理無理。」と。息子はママにお願いしました。私も会社に相談したところ休めそうだということに。「イタリア行くと今年はキャンプも海水浴も行けないし、行くからにはたくさんの曲を練習しないといけないけどそれでもイタリアがいい?」と訊いたら「うん」と。

4月のアンサンブルの練習のこと、誰もが知る名曲、アイネクライネナハトムジーク、この曲の楽譜が配られてから、息子のみならず子供達には人気抜群。嬉しそうに弾いていました。が、何分モーツアルトの名曲、難しい。
出だしのフレーズを一人一人弾かされた時に息子はうまく弾くことが出来ませんでした。先生からは「君にはむずかしいから弾かなくてもいいよ。」と言われてしまいました。よっぽど悔しかったのでしょう。息子は大泣き。
それからは特訓です。佐藤潤先生は時間をとるのが難しいので、佐藤潤先生の教え子でもありコンサートや合同練習でもお世話になっている手塚先生を紹介して頂き、ゴールデンウィークもシルバーウィークも夏休みに入ってからも通常のレッスンとは別に、一日2~4時間の特別レッスンを10回以上行いました。息子は弾けるようになっていくことが嬉しいのか、手塚先生との時間は楽しかったようで、あっという間にレッスンは終わったそうです。

さて、プルート表にも息子は堂々と載り、六本木の教会での練習、そして六本木での壮行コンサートを経て、いよいよイタリアへ出発です。息子は海外旅行は初めて、初めての飛行機に、雲の絨毯に大興奮でした。

今回のイタリア演奏旅行のテーマの一つは「本物のヨーロッパに触れる」旅。多感な時期に本物のヨーロッパに触れることが目的でした。ミラノから始まりバイオリン制作の本場クレモナ、ルネサンス発祥の地フィレンツェ、そして永遠の都ローマ。
ミラノでは世界最大のゴシック建築ミラノ大聖堂から始まり、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』の鑑賞。クレモナではバイオリン博物館を始めクレモナ屈指の職人モラッシー工房、トラブッキ工房を訪れました。
ローマではみんなでトレヴィの泉にコインを投げ込んでいました。今年は東儀秀樹さん出演のNHK「旅するイタリア語」、第1回はこのトレヴィの泉から始まりました。息子はちょうどイタリア行きを決めた後の4月から始まったこの番組に、ボンジョルノ!とまだ見ぬイタリアへの夢を重ねました。トレヴィの泉ではこの番組で紹介されたように後ろを向いてにコインを投げ、さらに秘密の水飲み場の場所を覚えていて、東儀秀樹さんと同じように水を飲むことが出来て大喜びでした。
フリータイムは、出来るだけ息子を連れだすことに。フィレンツェではボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』のウフィツィ美術館、ミケランジェロ『ダビデ像』のアカデミア美術館、ルネサンスの壁画が美しいブランカッチ礼拝堂。郊外に足を延ばし、ピサの斜塔、サンタアガータのランボルギーニ博物館、マラネロのフェラーリ博物館へ。ローマでは、列車でポンペイ遺跡へ行きローマではヴァティカン美術館、システィーナ礼拝堂でミケランジェロの『最後の審判』、カトリックの総本山サン・ピエトロ寺院、コロッセオと、沢山のヨーロッパに触れ、ちょっと消化不良気味です。

コンサートは3回、クレモナの老人ホームFondazione La Pace Onlus Cremonaとトレッキ宮殿Palazzo Trecchi、フィレンツェのサントスプリト教会Basilica di Santo Spiritoで行いました。
クレモナの老人ホームFondazione La Pace Onlus Cremonaモダンで快適な明るい建物で、我々のステージは木々に囲まれた中庭。老人ホームというよりはお洒落なガーデンコンサートです。さすがイタリア。
クレモナのトレッキ宮殿Palazzo Trecchiは1494年に建てられ、フランス王ルイ十二世、スペイン王カルロス五世、イタリア建国の英雄ガリバルディなども訪れたた由緒ある宮殿で、現在は会議やコンサートなどのクレモナ市の主要イベントに使われています。
フィレンツェのサントスプリト教会Basilica di Santo Spiritoは、遠近法を発明したルネサンス建築の始祖ブルネレスキの設計よるもので、初期のルネサンス様式の建造、美しい中庭があり身廊にはコリント式の円柱が聳えます。
いずれの場所も、まさに本場のヨーロッパ。果たして、観客は来てくれるのでしょうか?

私と息子が演奏した曲は以下です。キラキラ星以外は、一生懸命練習しました。(笑)
主よ人の望みよ喜びを/バッハ(父のみ)
メヌエット/ボッケリーニ(息子のみ)
妖精の踊り/パガニーニ(息子のみ)
メヌエットⅠ/バッハ(息子のみ)
イギリス民謡三曲(息子のみ)
アイネクライネナハトムジーク/モーツアルト
日本の歌メドレー(めだかの学校、春、荒城の月、紅葉とか)
カノン/パッフェルベル(クレモナのみ)
オーソレミーオ(アンコール用)
キラキラ星変奏曲(フィレンツェのみ)

コンサートの結果は、大盛況。お客は観客席から溢れ、立ち見どころか場外で立ち聴きする人も出る有様。会場はまさに熱気で汗だく、更に、溢れんばかりの熱い拍手!
人生でこんなに拍手を貰ったことはありませんでした。出演して良かった(私が喜んでどうする・・・笑)
最後、オーソレミーオを弾き終えた息子の目は達成感に満ち溢れていました。

息子は小学校4年生、今回、同年齢女の子の参加はありましたが、男の子は英世一人でした。が、今回は上級生のお兄ちゃん達にとても可愛がられました。二日目の昼食でミラノ風カツレツが出てきたときナイフとフォークの使い方もレモンの絞り方もお兄ちゃんに教えて貰った!と、とても嬉しそうでした。朝、朝食前からお兄ちゃんたちの部屋へ行き、道中も、食事も一緒。そして夕食後もお兄ちゃんたちの部屋へ。本当に上級生と過ごす時間が楽しそうでした。
よくスズキメソードの子は上の子が下の子の面倒を良くみると言われますが、今回、息子が最も楽しかったのは上級生と過ごす時間だったようです。

今回フィレンツェにはスウェーデンに住む友人が駆けつけて来ました。元会社の同僚で自身の息子もバイオリンを習っています。今年、日本に一時帰国した際は、息子と一緒に佐藤潤先生のレッスンを1回受けて、あまりの上達ぶりに驚いていた矢先。週末のフィレンツェ休日を楽しむついでコンサートを覗いてみようとのことでした。「えー、2時間も?そんなにもたないよ。前半で帰ろうか。」なんて言っていた彼女と息子、コンサートは驚愕だったようで、帰国後、息子は早速、スウェーデンのスズキメソードに通い始めました。

ローマでの最後の食事。皆、一人ずつ今回の感想を言いました。家族づれから。可愛い声、微笑ましく和やかな挨拶が進みました。
息子の番になりました。息子は、「イタリアでバイオリンを弾くことができて…。」と言ったところで泣き出してしまいました。
皆、もらい泣き。皆、同じように難関曲を一生懸命練習してきたのです。
余裕綽々で来た人もいますが、今回の3分の1は中高生、中には人生で初めて親に反抗して来た、という子もいまた。多くは海外演奏は初めてだ。夢の舞台、ヨーロッパでの響き、多くの歓声と拍手。皆一生忘れないでしょう。

帰ってきて、余程イタリア演奏旅行楽しかったのでしょう。息子は可愛がってもらったお兄ちゃんの名前を呼び続けます。「しんしんに会いたい。」しんしんは息子を一番可愛がってくれたお兄ちゃんの呼び名です。
ちょうど、ヴァチカン郵便局から送った葉書が届いたよ、というおじいちゃん、おばあちゃんからの知らせがきました。そして、息子はしんしんに手紙を書きました。今度また一緒にアイネクライネを弾こう。僕は第二ヴァイオリンだよ、と。

スズキメソードバイオリン科佐藤潤先生クラス
上野英世の父親、上野宏